F値とシャッタースピードとISO

カメラ

一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを初めて購入すると、ボタンやダイアルがいっぱいあったり設定項目が沢山あったりしてカメラ初心者の方は困惑することがあるかと思います。

かくいう私も初めてミラーレス一眼カメラを購入した際は全く何も理解していなかったので、SONYのα6000を使用していましたが常にPモードで撮影して「思ったよりも綺麗に撮れないなぁ」なんて思ったりしていました。

この記事では、何をどう設定したら良いかわからないカメラ初心者の方に向けて、3つのパラメータ「F値」「シャッタースピード」「ISO」の関係性やそれぞれに何を設定したら良いかなどを解説します

他にも理解して設定できた方が良いパラメータはありますが、最低限この3つのパラメータを設定できるようになることで「暗くなる」「ブレる」「画質が悪い」といった初心者にありがちな失敗を回避できるようになります。

撮影モードについて

パラメータの説明を行う前に撮影モードについて簡単に説明します。

撮影モードはどのメーカーのカメラを使用してもほぼ同じで、殆どのカメラでモードダイアルで変更することができます。

撮影モードは「Pモード」「Aモード」「Sモード」「Mモード」の4つがあり、それぞれ以下のように使用します。

モード名称用途
Pモードプレミアムオートモード全てを自動で設定
Aモード絞り優先モードF値を自分で設定しシャッタースピードを自動で設定
Sモードシャッタスピード優先モードF値を自動で設定しシャッタースピードを自分で設定
Mモードマニュアルモード全てを自分で設定
撮影モード

モードによって設定できないパラメータ(上表で自動で設定とある項目)が存在するので、以降で説明するパラメータを設定する際には変更可能なモードであることを確認してください。

F値とシャッタースピードとISO

ここから「F値」「シャッタースピード」「ISO」について解説します。

まず、それぞれの言葉の意味と設定値に応じてどう変化するかを下表にまとめます。

パラメータ意味設定
F値レンズ内の絞り羽の開き具合低いほどボケる、高いほどくっきり
低いほど明るい、高いほど暗い
シャッタースピードシャッターを切るスピード速いほどブレない、遅いほどブレる
速いほど暗い、遅いほど明るい
ISO光を増幅させる量低いほど画質が良い、高いほど画質が悪い
低いほど暗い、高いほど明るい
パラメータ概要

3つのパラメータを同時に設定しようと思うと難しいので、まずISOはAutoに設定しておき明るさの指標とするのが良いと思います。

ISOを明るさの指標とする場合、夜間の屋外とかでなければISO2000くらいが上限となるようにF値やシャッタースピードを設定すると一定以上の画質を保つことができるようになります。

以降ではシチュエーションに応じたパラメータの設定方法について解説します。

とにかく背景ボケボケの写真を撮りたい

とにかく背景ボケボケの写真を撮りたい場合はF値を最低まで下げてシャッタースピードは暗くなりすぎないくらいの速度に設定します。

背景をボケさせるためには「F値を下げる」「焦点距離を大きくする」「被写体と背景の距離を大きくする」といった方法がありますが、カメラの位置や画角を変えずにボケ具合を変えるにはF値を変更するしかありません。

基本的にはAモードでF値を最小に設定すればよいだけですが、シャッタースピードが1/4000までしか設定できないカメラだと明るいレンズ(F1.4やF1.2のレンズなど)で白飛びする場合があるためその場合にはF値を少し上げる必要があります。

α7Ⅳ + SEL2070G – 70mm F4 1/1,250 ISO100

全体にフォーカスした写真を撮りたい

風景写真などのように全体にフォーカスした写真を撮りたい場合はF値を8〜14くらいに設定しシャッタースピードは暗くなりすぎないくらいの速度に設定します。

全体にフォーカスを合わせることをパンフォーカスと言いますが、F値を高めに設定することで被写界深度が深くなるためパンフォーカスに近い感じに写真を撮ることができるようになります。

被写界深度とは、ピントを合わせた部分の前後のピントが合っているように見える範囲のことです。
被写界深度は絞り値(F値)、レンズの焦点距離、撮影距離(被写体とカメラの間の距離)で決まります。

https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/05.html

F値を高めに設定するため暗くなりがちになるので、ISOを少し上げたりシャッタースピードを手ブレしない程度に遅くしたりなどする必要があります。

α7Ⅳ + SEL2070G – 20mm F9 1/400 ISO100

時間を止めたような写真を撮りたい

水飛沫など時間を止めたような写真を撮りたい場合はシャッタースピードをかなり速め(少なくとも1/1000s以下くらい)に設定します。

ただし、室内だと1/1000sだとかなり暗くF値を解放にしてもISO感度が上がってしまうため、別途光源の用意をするなど工夫をする必要があります。

α7Ⅳ + SEL50F14GM – 50mm F1.4 1/1600s ISO640

暗いところでも綺麗な写真を撮りたい

夜間の屋外での撮影など暗いところでも綺麗な写真(ISO感度を上げすぎない)を撮りたい場合は三脚などを使用して手振れが発生しないようにした上でシャッタースピードを遅く設定します。

シャッタースピードを遅くして撮影する場合はシャッターを押した振動がブレとして記録されてしまうので、外部のシャッターを使用するかタイマー機能を使用するようにすることでブレずに綺麗な写真を撮ることができます。

α6000 + SEL16F28 – 16mm(35mm換算24mm) F2.8 1s ISO100

シャッタースピードを遅くして撮影する技法を「長秒露光」「長時間露光」と言いますが、この撮影方法を応用することで以下のような光の軌跡を撮影することもできます。

α7C + SEL55F18Z – 55mm F11 15s ISO50

終わりに

何をどう設定したら良いかわからないカメラ初心者の方に向けて、3つのパラメータ「F値」「シャッタースピード」「ISO」の関係性やそれぞれに何を設定したら良いかなどを解説しました。

本記事で紹介した以外のパラメータでもきちんと設定することで写真のクオリティが変わるものがありますが、まずは3つのパラメータを使いこなして失敗写真を少なくできるようにしてみましょう。

この記事について誤っている点・不明な点などありましたらコメントまでお願いします。

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